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YOLP紀行 今なお歴史を紡ぐ 湖国の廃村群 〜五僧・保月・杉〜

[地図]  2012年9月13日
Yahoo! Open Local Platform(YOLP)チームの近藤です。

突然ですが、もうすぐ秋ですね。
秋になると鈴鹿山系北部は紅葉が美しく、一度は訪れたい気分に駆られます。
今回はその鈴鹿山系北部を横断する、由緒ある中山道の間道の通称・島津越を車で走るルートと周辺の廃村をみなさまにご紹介します。
沿道は秘境的な雰囲気が漂う場所で、感動的な紅葉を楽しみ、また廃村も興味が湧く素晴らしいルートです。

今回、訪れたルートです
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ちなみに

この急峻な山越えの道は、古くは関ヶ原合戦の折りに西軍の島津軍勢が退去した道として知られ、また、伊勢や美濃から多賀大社への参詣道として使われ往時はずいぶん人の往来がありましたが、明治以降の交通革命により歩かれなくなり、今ではわずかに登山者や山仕事従事者などが利用する程度で、旧道を歩く人は極めて少ないです。

昭和になってこの間道沿いに車道が設けられたこともあり、かなりの部分の間道が失われて今では大部分が廃道化しています。
数年前には最後まで残されていた車道未開通区間の、滋賀県境から岐阜県・時山集落までが全通したので容易に車で訪れることができるようになりました。

この道沿いには歴史的な遺物はもとより、四季を通じての素晴らしい自然、侘しさが残る廃村、現役の炭焼き小屋など魅力あふれる場所が多いので一度訪ねてみるのも楽しいと思われます。
今回車で走り抜ける、岐阜から滋賀へこの山越えの道を紹介していきます。

このルートには昭和30年代に滋賀県多賀町と合併するまで脇ヶ畑村があり、昭和50年頃完全廃村になり、現在は人口ゼロの高原上のカルスト台地を横断することになります。
これでも県道ですが、急峻な山腹に設けられており、対向できない道幅が狭い区間が続き、落石もあり、常に気を抜けない道です。

ルート概要

まず、島津越起点の岐阜県側にある時山集落から紹介していきます。
時山は背後が急峻な山にはりついているような寒村で、昔からワサビ栽培や炭焼きの生産が盛んですが、現在でも谷沿いにワサビ栽培がおこなわれており、炭焼き小屋も数箇所見られます。
時山集落奥から五僧への真新しい車道と、間道である山道が分岐します。この山道沿いには炭焼き小屋も見られて、秋の紅葉も素晴らしく楽しい道です。

さて、車道は谷沿いから山腹沿いの登りになり、やがて県境上にある廃村五僧(五僧峠)に着きます。

五僧峠
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昔この場所に五人の僧が住んでいたことから五僧という名称がついたようです。
ここから岐阜県側を眺めると幾重にも山が連なり山深い場所ということが分かり、かつてこの場所に集落があったのは驚きです。

五僧峠付近の道
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廃村五僧
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このあたりです


地形図でみるとこんな感じ


航空写真でみるとこんな感じ


ちなみに、Yahoo!スタティックマップAPIを利用して地図を表示しています。
以下のように、サイズや地図のデザインを指定して地図を表示できます。
http://map.olp.yahooapis.jp/OpenLocalPlatform/V1/static?appid=【あなたのアプリケーションID】&lat=35.23438389&lon=136.38253523&z=15&mode=map&width=600&height=450&pointer=on&style=base:topographic
実際、木立の中に案外手入れされた家屋が数件残っていますが、他は倒壊した残骸や石垣が残るのみです。
この辺境の地でも明治時代には50軒以上の住居がひしめき合っていました。
主として炭焼きで生計をたてていたようです。
ここから車道を下り、墓が点在する権現谷に出て右へ折れ、すぐ橋を渡り急峻な山肌に設けられた県道を登っていきます。 ガードレールもない道で、落石もあり気が抜けません。

保月を目指して山腹の県道を走ります
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道が平坦になるころ視界が開けてきて、ようやく廃村保月に着きます。

保月・照西寺
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このあたりです


地形図でみるとこんな感じ


航空写真でみるとこんな感じ


サンプルコード
http://map.olp.yahooapis.jp/OpenLocalPlatform/V1/static?appid=【あなたのアプリケーションID】&lat=35.2384847&lon=136.36336191&z=15&mode=map&width=600&height=450&pointer=on&style=base:topographic
ここ保月は旧脇ヶ畑村の中心でいまだに県道沿いに主のいない家屋が多く散見されます。
昔は役場、農協、小・中学校、郵便局、駐在所等が設けられていましたが、今では残っていません。

学校跡
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現在はよく手入れされたお寺(照西寺)の周辺に、年々痛みがひどくなっている家屋が20件ほど。
私が訪ねた折にはお寺に沢山の人がいて楽しそうに語っているのが見られましたが、普段は静寂に包まれて侘しさが漂う場所です。
夏場には定期的に周辺の草刈りがされているようでそれほど草に埋もれているという感じではありませんでした。
江戸期には山脈を横切る間道の中間点にあたるので、このような場所に民家が約90軒もある大集落でした。
多賀大社詣での人々や、旅人、商人、山仕事の人々など往来も盛んで、100人も泊まれる宿屋や質屋も在ったようです。
さて、保月から県道を走り、このカルスト台地の西端にある杉集落に向かいます。
単調な植林地の中を縫って行くと立派な地蔵があります。
やがて、三合水という唯一田んぼがあった場所の分岐に出るので、ここを右にとると間もなく杉集落跡に着きます。

廃村杉
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杉からの県道を下ります
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このあたりです


地形図でみるとこんな感じ


航空写真でみるとこんな感じ


サンプルコード
http://map.olp.yahooapis.jp/OpenLocalPlatform/V1/static?appid=【あなたのアプリケーションID】&lat=35.22821378&lon=136.34171825&z=15&mode=map&width=600&height=450&pointer=off&style=base:topographic
日当たり抜群で住環境は良さそうですが、主のいない家屋が10軒ほど並んでおり、それぞれの家屋の痛みはかなりひどくなっています。

家屋の痛みがかなりきてます
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西端には寺の跡や神社も見られました。
杉集落跡からは一気に植林地の中の狭い県道を下って行くのですが、ガードレールも無く、カーブも多く、退避所も少なく、気の抜けない道です。あまり対向車には出合いませんが、出合うと慌ててしまいます。

車1台やっと通れる広さです
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杉集落跡から15分ほどで栗栖集落の広い県道17号に出合います。
ここまで下れば急に開けてきて家屋が多くなり、明るく、開放的な気分になります。
しばらく田園風景の中を走るようになり、多賀大社へは10分ほどで到着です。

台地から下界に降りてきたという雰囲気です
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参考タイム
名神高速・関ヶ原IC(30分)時山集落(15分)廃村・五僧(20分)廃村・保月(15分)廃村・杉(15分)(20分)栗栖集落(10分)多賀大社(10分)名神高速・彦根IC

ご注意
  • ここに紹介しましたルートは土砂崩れなどで通行止めが多く、事前に土木事務所などで調べておく必要があります。
  • 時山からの車道が通行止めの場合は、一旦国道306号で滋賀県に出て、大君ヶ畑集落手前の林道を延々と進むと五僧西側の県道に出るのでそれを利用する。
  • また、道は非常に狭く、対向できない箇所が多く、急峻な山腹に設けられていて車の運転には慎重さを要します。自己責任において走行してください。
  • 廃村の家屋は所有主があるので、むやみに立ち入らぬようにしていただきたいと思います。
  • 冬期は積雪が多く、現地への車での走行は困難であるので控えてください。

いかがでしょうか。廃村好きにはメジャーな場所ですが、混雑も少ないのでこの連休に訪れてみるのもよいかもしれません。
今後も、廃村・廃墟・廃線好きのYOLPスタッフが、オススメスポットを紹介していきたいと思います。今後ともYOLPをよろしくお願いいたします。

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